貿易の初心者もしっかり覚えとこう!B/L (Bills of Lading)!!!

単語帳

B/L捨てちゃいました、てへっ( ・∇・)
へっ・・・( ゚д゚)

夢でもみたくないような状況ですよね。

こんなことにならないよう、今回はB/Lがどういったものかを説明します。

貿易の初心者が絶対に抑えとかないといけない、

B/Lってなんなの?
B/Lはなぜ大事なの?

といった疑問に答えます。

いきなりですが結論です。
B/Lとは「Bills of Lading」の略で、日本語では船荷証券と呼ばれます。
B/Lは次の機能を持っているため、貿易で最も重要な書類と言えます。

  1. B/Lは有価証券です
  2. B/Lは貨物の受取証です
  3. B/Lは運送契約書です
  4. B/Lは貨物の引渡し書です

一枚のB/Lという書類は多くの役割を果たします(同じ書類が複数枚発行されます)。
では、それぞれの役割を説明していきますね。

有価証券

B/Lは貨物の引渡し請求権が証券化されたものです。

船積み書類の中で唯一の有価証券であり、貨物相当額の現金と同様の価値があるとみなされます。

また有価証券のため、流通性も持っています。

裏書き(Endorsement)をすることで、貨物の処分権を譲渡することができます。

例えば、L/Cの場合ではB/Lに白地裏書(Blank Endorsement)することで、貨物の処分権を銀行や輸入者に譲渡しています。

5,000万円の貨物のB/Lの場合、B/Lは5,000万円の価値がある書類になります。
大事に保管してください。

貨物の受取証

貿易ではモノ(貨物)カネ(金)カミ(書類)の流れを理解することが重要です。

B/Lはカミの流れの中で船会社によって発行される書類で、貨物を船会社が受け取ったことを証明する役割があります。

B/Lの書面上には、

「Shipped on Board by Shipper~(船積船荷証券)」や
「Received for Shipper~(受取船荷証券)」

という文章が書かれています。

前者は貨物を船にのせたこと(Shipped)を証明し、後者は船会社が貨物を受け取ったこと(Received)を証明しています。
これが貨物を受け取ったことを示しています。

また、B/Lの書面上に船積み日を証明する日付がスタンプで示され、船積み日の証明になります。
これで、ちゃんと貨物が船に積載されたことが分かりますね。

こういった記載のある書面に船会社が署名します。

これらにより、B/Lは船会社が貨物を受け取ったことを証明しています。

貨物の引渡し書

船会社は到着地でB/Lと引換に貨物を引渡すことになっています。

そのため、B/Lは荷受人にとっては貨物の引換券の役割をしています。
同時に、船会社の立場ではB/Lと引換に貨物を引渡す義務があります。

B/Lを無くした荷受け人が貨物をB/Lなしで受け取ってしまった。その後、B/Lを取得した会社が船会社にB/Lを提出したら船会社はどうなるでしょう?

こういったリスクもあるため、B/Lを無くしてしまうと、船会社から貨物を引き取れなくなります。
B/Lの紛失は避けなければいけません。

運送契約書

B/Lは運送契約書の役目も果たしています。

「何を」「誰から」「誰に」「誰が」「どこから」「どこまで」「いつ」運ぶのか、などが記載されています。

B/Lの書面上には次の項目が記載されています。

  • 運送品の種類
  • 運送品の容積・重量・個数・マーク
  • 運送品の状態
  • 荷送人の氏名や商号
  • 運送人の氏名や商号
  • 船舶の名称や国籍
  • 船積み港・陸揚げ港
  • 船積み日
  • 運送賃
  • 船荷証券の通数
  • 発行地・発行日

B/Lを無くした場合

B/Lは貨物に対する権利を有している書類のため、絶対に紛失しないように注意して管理する必要があります。

オリジナルは3通発行される

B/Lは有価証券のため、紛失した場合、すぐに再発ができるものではありません。
紛失の対策として、通常オリジナルは3通発行されています。
そのどれか1通を船会社に差入れれば貨物を引き取ることができます
この場合、残りの2通は失効します

B/Lを荷受け人に送付する際は紛失を避けるために、3通を別の便で郵送するなど紛失のリスクを避けるようにしてください。

無くしてしまった場合

もし紛失してしまった場合は煩雑な手続きと時間がかかります。

輸入者がB/Lを無くした場合、次の対策を考える必要があります。

  •  船会社に再発行を依頼するか
  •  保証状(L/G)による貨物引き取りを行うか、
  •  除権決定を得る法的手続きを行う

しかし、除権決定には数ヶ月程度かかると言われています。

その間も貨物は倉庫に置かれたままになり、倉庫費用がかかったり、食品などの場合には劣化する可能性があることや、納期に間に合わないことなど問題が起こります。

また、日本の輸出者がB/Lを扮した場合、手続きは輸入地の法令に従うことになるので注意してください。

どちらにしても簡単には解決しないので、くれぐれもB/Lは無くさないようにしてください。

最近のB/L

船荷証券の危機

コンテナ船の高速化などで、B/Lの到着が貨物の到着よりも遅くなることが増えてきました。

貨物は到着したのに、EMSなどで送ったB/Lが到着しておらず、貨物の荷受けができない問題です。

これが船荷証券の危機と言われており、アジア圏との貿易でよく発生しています。
対応策として次のようなものがあります。

・保証状(L/G)渡し
・Sea Way Bill
・Surrendered B/L

この中でもSurrendered B/LとSea Way Billsに関しては別に記事を作りますね。

B/L、一枚の紙ですが、貿易では非常に重要な書類です。
無くさないように注意してくださいね。

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コメント

  1. […] 前回のB/Lの話に続いて、今回はサレンダードB/LとSea Way Billに関してまとめていきます。 […]

  2. […] 前にもB/Lについて書いた事もありますが、B/Lは貿易において最も重要な書類の一つです。てか、一番大事な書類だと言っても過言はないでしょう。 […]

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