こんにちは、こばです。
貿易に関わっている人なら、貿易に関する資格を調べたことがあるのではないでしょうか?
まず通関士を調べてみて、そして貿易実務検定を見つけて、まとめサイトではIATAや銀行業務検定、STCなんかが出てくる。
僕も前に貿易の資格をまとめた記事でこれらの資格を簡単に説明しました。
その資格の中で、わかるようでいまいちピンとこないのがAIBA認定貿易アドバイザーという資格です。
貿易実務検定とどう違うの?
どこがやってんの?
どっかで名前を見たことがあるけれど、忘れちゃった。
なんか難しそう?
これをとったら、貿易アドバイザーになれるの?
今回は貿易アドバイザーに関して説明していきます。
貿易アドバイザーって何?
そもそも貿易アドバイザー試験ってなんでしょうか?
僕なりの理解ですが、結論を言います。
貿易アドバイザー試験とは、
単なる貿易の知識だけでなく、貿易に関するアドバイスやコンサルティングができるような実務経験やノウハウを持っていることを証明する資格です。
では、貿易アドバイザー試験とはどういったものか。
それを貿易アドバイザー試験のホームページを参考に説明をしていきたいと思います。
昔はJETRO認定貿易アドバイザーって言われてた
貿易アドバイザーは1994年に日本貿易振興機構(以下JETRO/ジェトロ)によって始められた資格です。
そもそもはジェトロが貿易取引支援のため、実務経験やノウハウを持った人材を育てる目的で作った資格です。
当初は「ジェトロ認定輸入ビジネスアドバイザー」と呼ばれていましたが、その後、「ジェトロ認定貿易アドバイザー」に名称が変わりました。
2008年に貿易アドバイザー協会(AIBA: Association of International Business Advisers)がジェトロの認定試験を引き継ぎ、アドバイザー試験制度を行なっています。
貿易アドバイザー協会(AIBA)が認定しているから、AIBA認定貿易アドバイザーという言い方です。
JETRO認定輸入ビジネスアドバイザー → AIBA認定貿易アドバイザー
AIBA = Association of International Business Adviser = 貿易アドバイザー協会
JETROがしてたってことは公的な資格???
貿易アドバイザー試験はJETROが作った試験、
そう聞くとなんとなく公的な試験や資格のような気がしますよね。
弁護士や税理士、通関士のような・・・
残念ですが、公的な資格ではありません。
あくまで一般社団法人貿易アドバイザー協会が行なっている民間の資格です。
その意味では貿易実務検定に近いかも知れません。
また、業務独占資格や名称独占資格ではないので、この資格を持たないと貿易のアドバイス業ができないわけではありませんし、貿易アドバイザーを名乗れないわけではありません。
しかし、現状、貿易のアドバイスやコンサルティングに関する資格は貿易アドバイザー以外にはありません。
貿易アドバイザーの資格はアドバイザー(コンサルタント)としての実力の証明になる資格と言えます。
貿易業務に関わる方以外でも、中小企業診断士の方が業務の幅を広げるために取得しているケースもあるようです。
貿易実務検定とどう違うの???
先ほど、貿易アドバイザー試験は貿易実務検定に近いと書きました。
確かに似ているところはありますが、同時に異なる資格でもあります。
ここからは、貿易実務検定と似ているところと、異なるところを、私見になりますが記載していきます。
貿易アドバイザー試験と貿易実務検定の似ているところ:試験
貿易アドバイザー試験と貿易実務検定の似ているところ、それは試験制度です。
どちらも、試験科目は貿易実務、貿易英語、マーケティングの3科目です。
貿易実務検定はC級、B級、A級とありますが、A級と貿易アドバイザー試験との同等程度の難易度と言われています。
そのため、貿易アドバイザー試験と貿易実務検定のA級を同時受験した方もいます。
貿易アドバイザー試験には参考書が市販されていないため、貿易実務検定A級の参考書を使って勉強されたようです。
同時に受験することで試験対策を効率的に行うことができますね。
貿易アドバイザー試験と貿易実務検定の異なるところ
一方で、貿易アドバイザー試験と貿易実務検定の異なるところはどこでしょうか。
貿易アドバイザー試験はあくまでアドバイザーとしての適性を見るための試験です。
一方で、貿易実務検定は貿易実務の能力を見るための試験です。
そのため、貿易アドバイザー試験では一次試験の合格者には二次試験が行われます。
二次試験は論文と面接です。
一次試験で貿易実務の知識をテストし、二次試験でアドバイザーとしての適性をテストしています。
ここからも、貿易アドバイザー試験のゴールと、貿易実務検定のゴールは異なるものということが読み取れます。
また、合格後にも違いがあります。
資格の取得だけでなく、合格後にあるメリット、これが貿易アドバイザー試験と貿易実務検定との大きな違いと言えます。
次に貿易アドバイザーの合格後のメリットに関して説明していきます。
試験は一次試験と二次試験がある。
一次試験は筆記試験、二次試験は論文と面接。
試験合格後のメリット:貿易アドバイザー協会への入会
一般的に試験の合格は合格証書のようなものをもらって終わりです。
TOEICだとスコアシートが、英検は合格通知、貿易実務検定も合格証書です。
しかし、貿易アドバイザー試験の場合、受かってからが本番です。
貿易アドバイザー協会
貿易アドバイザー試験に合格すると、個人として貿易アドバイザー協会へ入会することができます。
参加には年会費と入会金がかかります。
参加者は銀行、商社、メーカー、物流、乙仲など貿易に関する業界で活躍している人ばかりです。
参加することで、他の会員に相談や質問が直接できるようになります。
「雑貨の輸出をしているが、急に機械の輸出をすることになった・・・」
「植物の輸入の手続きはしたことがないのでわからない・・・」
「EPAを使いたいのだけれど、原産地証明のルールはどうなっているのか・・・」
「これから中国に進出しようと思ってるけれど、どこに注意すればいいの・・・」
このような質問にその道のエキスパートの人に直接質問ができます。
もちろん、反対に質問を受けることもあります。
このようなコミュニティを利用することができるのは、会社員であれ、自営業であれ大きなメリットではないでしょうか。
専門家に相談ができる
勉強会
また、貿易アドバイザー協会に入会すると定期的に勉強会が開かれます。
EPAに関するもの、アジアビジネスに関するもの、食品に関するもの、輸出管理に関するものなど、いろいろなテーマで勉強をし続けることができます。
また、最新のテーマに関する勉強会や情報交換も行われており、貿易に関する知識のアップデートが行われます。
貿易に関する最新の知識やノウハウ、一人ではなかなか学び続けにくいかと思います。
しかし、勉強会を利用することで、自分のノウハウを高めていくことができます。
定期的に勉強会などがあり、海外ビジネスのさらなるスキルアップが図れる
仕事
上二つも海外ビジネスで稼いでいく上で、大きなメリットです。
しかし、貿易アドバイザーの資格で1番のメリットは、仕事になる、という点です。
貿易アドバイザー協会はコンサルティングサービスやセミナーを行なっています。
公的機関、会社、銀行などへサービスを行なっており、会員にその案件の紹介を行うこともあります。
普通の資格の場合、取得することで会社からの昇給があるかもしれません。
貿易アドバイザーの資格は「昇級の手段としてだけではなく、収入に直結する資格」と言えるかも知れません。
自分の貿易のノウハウをお金にかえる手段として、
- 退職後の仕事
- 副業
- セミナー講師デビュー
- 出版
こういったチャンスが貿易アドバイザー協会に所属することででてきます。
これは他の資格では得られないメリットですね。
お金になる・・・かもしれない
終わりに
現在、貿易アドバイザー協会は平均年齢が比較的高いです。
今までは長年貿易業界でやってきた専門家のみが知るような資格でしたが、最近は多くの若い方の合格者も増えています。
単なる自分の力試しだけでなく、自分の将来につながる可能性のある資格、チャレンジしてみませんか!?
こば@貿易屋
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